子どもにお金の教育をきちんとしておくべきだという声がよく聞かれるようになってきました。
学校では、子どもにお金の「稼ぎ方」は教えてくれません。
稼ぐ力は、生きる力です。
家庭内でお金の教育をしていきたいものですが、どのように教えたらいいのか悩む親も多いのではないでしょうか。
今日は、モンテッソーリによるお金の教育方法についてみていきましょう。
目次
日本ではお金儲けの話はタブー?
日本人は、お金儲けの話がどうも苦手ですよね。
まず、親自身が最初に取り除かなければならないことは、大金儲け=悪、汚いと思ってしまう思考です。
お金儲けと聞くと、なんとなく「詐欺」と思ってしまう人は要注意です。
それは逆にいうと、お金を稼ぐには詐欺をしなければならないと考えている、ということになるので、子どもにお金の教育をするに際しても、子どもの可能性を狭めてしまう可能性があります。
子どもへの教育の前に、親自身がお金に対する考えを改めなければなりません。
しかしそれも、親自身が幼少期に、お年玉を貰えば「貯金しなさい」とか「無駄遣いをするな」と言われ、「お金を儲けている人は一部の人だけだ」と教えられて育った人が多いと思うので仕方ないことです。
モンテッソーリの教え ビジネスは「経済地理学」
若くして起業し、成功させた今日の名だたる起業家の多く、たとえばFacebookのマーク・ザッカーバーグやGoogleのラリー・ペイジ、Amazonのジェフ・べゾスなどの共通点のひとつにモンテッソーリ教育を受けていたということがあります。
モンテッソーリのカリキュラムを見ると、彼らが事業を成功させた理由がわかるかもしれません。
社会の役に立つためにビジネスをする
以前書いたことがありますが、モンテッソーリ教育の広義は
「人間は社会の構成員にならなければならない」
というものです。
幼少期からモンテッソーリ教育を受けている子は、「社会の役に立ちたい」という欲求が自然に芽生えます。
海外のモンテッソーリ学校では、その欲求に応えるために実際にビジネスをさせています。
ビジネスというのは、頼まれたことをする雇われ人(アルバイトなど)ではありません。
みずから考えて商売をし、本格的な経営を体験していきます。
これは、社会人になって初めて本格的にお金を稼ぐことを経験する日本の子どもたちと大きく違うところです。
お金の教育「経営地理学」の具体的な指導
モンテッソーリ教育のカリキュラムでは、小学校4年生くらいからビジネスについて学びます。
それは、「経営地理学」という科目としてきちんとあるものです。
具体的なカリキュラムは以下のような流れです。
1. 「相互依存」について学ぶ
ごはんは、米屋、問屋、農業などの流通経路を得て、私たちの元にやってきます。
そういった身近な食べ物がどこから来るのかをまず、子どもたちに考えさせます。
カードを使って流通経路を確認しながら、わたしたちの暮らしはさまざまな人の仕事に支えられて成り立っていることを子どもたちに気づかせるように導きます。
2. 「物々交換」を体験する
学校で野菜を育て、収穫し、お互いに交換しあいます。
物々交換は、自分が欲しいものと相手が欲しいものが一致しないと成り立ちません。
最初はやみくもに交換しようと動いていた子どもたちも、自分が持っているものを欲しそうな人にターゲットを絞って交渉するようになるそうです。
それでも、これはなかなか骨の折れる作業であることは想像できます。
3. 「通貨」について学ぶ
このような経験をした後で、「通貨」について学びます。
物々交換は大変だけど、お金があればなんでも買えるから便利だということを、子どもたちは体験を通じて心底わかるようになります。
体験を通じ、実感があるからこそ、通貨の役割や歴史を学習させるとぐんぐん頭に入っていきます。
このように、大人が一方的に教えるのではなく、子どもたちが体験から学ぶようにするのがモンテッソーリ教育の大きな特徴です。
公共施設や税金についても学ぶ
ビジネスの体験をしたあとで、公共施設や税金についても学びます。
たとえば、「公共施設」の学習では、身の回りにある施設を分類していくと、入場料や利用料がかかる施設とかからない施設があることに気づきます。
すると、そこで働く人の給料はどこから出て来るのだろう?という疑問が生まれます。
そこで、「税金」について学ぶのです。
小学校のバザーはビジネス体験にちょうどいい
公立の小学校でも、年間行事に「バザー」というものがありますよね。
子どもにとって、とってもわくわくする行事です。
このバザーは、モンテッソーリ教育を受けている子どもたちにとっては、これまで学んだお金や経済の知識や経験を基に、ぐっと成長させる機会になっているそうです。
商品の企画、値付け、販売、会計など、すべて子どもたちが行います。
物を作って売るというのは非常に原始的なビジネスですが、マーケティングや売上管理、労務管理など、あらゆる要素が詰まっています。
あるアメリカのモンテッソーリ中学校では農場を体験し、収穫した野菜を販売したり、学校に泊まれるようにしてホテル経営をしたり、事業で儲けたお金を管理する銀行も自分たちで経営していました。
こうしたビジネスで失敗も経験しながら、そこで自分たちが必要だと感じた農業や経営学、金融学などを学びます。
だから、知識の入り方が全然違い、前述のように多くの起業家が誕生するのかもしれません。
まとめ
子どもにお金の教育は必須 モンテッソーリ流子どものお金教育とは
いかがでしたか?
- モンテッソーリ教育では、小学校4年生くらいからビジネスについて学び、体験する
- お金の教育は「経営地理学」という科目として存在している
- 小学校のバザーはビジネス体験として日本の学校でも生かすべき
日本の子どもたちは、あまりに実社会の経済活動から切り離された生活をしています。
そのためにお金を扱ったり、稼いだりする経験が圧倒的に不足しています。
そこには、「まだ子どもだから」という大人の勝手な解釈があるはずですが、子どもたちも立派な社会の一員であり、何かの役に立ちたいと熱望しているかもしれませんよ。
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