脳からみた早期英語教育の是非 天才脳と早期教育の真実(3) 




相対性理論などを提唱した物理学者アルバート・アインシュタインの死後、天才の仕組みを探るため取り出された脳の研究から

音楽が右脳の発達に関係しているかもしれない

ということが分かりました。

 

右脳教育は幻想? 天才脳と早期教育の真実(1)

2018.06.20

バイオリンを習うと天才になる? 天才脳と早期教育の真実(2) 

2018.06.21

 

これらの記事の続きです。

 

「音楽が右脳の発達に関係しているかもしれない」

 

これは正確には、音楽=ピアノやバイオリンの音がどうということではなく、それらを演奏する行為のことを指しているようです。

手指の訓練開始は早いほど、脳の関連部位の大きさに影響を与える

ということです。

 

モンテッソーリを家庭で実践 0歳からできること

2018.01.19

 

このように、脳について科学的根拠が乏しいにも関わらず、正しくない解説が流れている説を「神経神話」とか「脳神話」というそうです。

 

神経神話の中で特に有名なのが「3歳時神話」ですね。

 

経済協力開発機構は、2000年代に入ってからたびたび警鐘を鳴らしています。

 

取り返せない学習期間はない

 

日本の『三つ子の魂百まで』ということわざと同じような意味の言葉は、多くの国にあり、乳児・幼児期は脳の基盤が作られる大切な時期であることを意味しています。

 

脳研究の権威である日立製作所役員待遇フェローの小泉英明氏は

 

「そこには真実も含まれているけど、この時期を逃がすと取り返しがつかないという拡大解釈で歪められてしまった。」

といいます。

 

しかも、こういった神経神話は今なお払拭されることなく

早期教育を売り込むための商売道具に利用されています。

と懸念しています。

 

早期英語教育の脳神話

 

早期教育の中でとりわけ人気が高いのが英語教育です。

生まれたばかりの子どもはどんな言語にも対応する耳を持ち、「L」と「R」の発音も聞き分けられます。

 

ただ、それが聞こえない環境で育つと、1歳ごろまでに聞き分けられなくなると言われています。

 

「L」と「R」の区別がつくと、日本語を話す時に邪魔になると脳が判断するためだそうです。

 

0歳から英語を学ばせようと急ぎたくなるのが親心です。

 



 

しかし、

「乳幼児は聴覚だけではなく、視覚、触覚、味覚、嗅覚の五感の神経回路を作っており、とにかく忙しく、英語にこだわりすぎると、本来優先すべき発達が犠牲になりかねない。」

と、小泉氏は指摘します。

 

英語でLとRが聞き分けられなくても、日本で生活している以上は実害が生じることはまずありませんが、母国語が中途半端になってしまうと自己のアイデンティティが欠如したり、精神の脆弱性がでてくるリスクもあります。

 

子どもの早期英語教育による弊害・デメリットとは

2018.05.18

 

以前、子どもの教育格差、経済格差よりも深刻な「幸せ格差」とは

の記事の中でも、日本より先にグローバル化が進んだ韓国の教育について少し触れました。

 

この早期英語教育についても、韓国では「母国語である韓国語が身につかない」という深刻な事態がすでに問題になっているそうです。

 

「いずれ韓国語は覚えるのだから、最初は英語から入ったほうがいい。」

 

という、まさに英語早期教育が流行した時期に生まれた子どもです。

 

親は、生まれた子どもに韓国語で話しかけず、英語のテープを流し続けた結果、韓国語もわからない子になってしまったといいます。

 

とても単純なことですが、言語の獲得には、耳に入ってくる聴覚だけの一方通行ではなく、相互の作用が必要だからです。

 

言語学習の感受期

 

特定の種類の学習がより効率的になる時期については、あるのかどうかも含めてまだよくわかっていないといいます。

 

ただ、言語学習には前述のように「L」と「R」の発音のように、確かにこのような時期があることはわかっています。

 

また、特定の種類の学習がより効率的になる時期を「感受期」といい、文法学習にはこの感受期があり、16歳ごろまでは、より早く簡単に習得できるといいます。

 

一方で、語彙力の学習能力は一生を通じて向上し、脳は生涯にわたって学習などによって変化し、作り直されていくそうです。

 

一つの言語しか一度に処理できない?

 

では、第二言語を学習する前に、まずは母国語を流暢に話さなくてはいけないのかというと、これもまたそういうわけでもなく、二つの言語を習得した子どもは、それぞれの言語の構造をより理解し、二つの言語をより意識して使うと言います。

 

また、一つの言語で習得した知識を他の言語に移せないということもなく、多言語を学んだ人は、何かを学んだ時に、どの言語でそれを学んだのかを思い出せなかったり、映画を観ても、それがどの言語で観たものだったのかをしばらくしたら忘れるのだそうです。

 



 

まとめ

 

天才脳と早期教育の真実(3) 早期英語教育の是非

いかがでしたか。

 

早期英語教育の是非 まとめ
  • 日本語にない「L」と「R」の発音などは、1歳ごろ以降に聞き分けられなくなる
  • 文法学習には言語学習の感受期があり、16歳ごろまでは、より早く簡単に習得できる
  • 語彙力の学習能力は一生を通じて向上し、脳は生涯にわたって学習などによって変化し、作り直される

 

英語にこだわり効率的に言語を習得させたいなら、

❶ 1歳までに英語を聞かせる

ただし、言語の獲得には聴覚だけの一方通行ではなく相互の作用が必要となるため、話せるようになるまで続ける必要があるし、同時に母国語も同じように話しかける必要があります。

また、たとえ「L」と「R」の発音が聞き分けられたとしても、世界にはフランス語やロシア語のように、英語よりも発音の種類が多い言語があることを理解しておいたほうがいいかもしれません。

家庭でできる0歳からの英語教育プランを本気で考えてみた

 

❷ 文法学習は16歳までに

ただし、これもやめれば忘れるので続ける必要。

❸ 語彙力は必要に応じて

ということになるかもしれません。

 

早期英語教育を実践しようと思ったら、一時的なものではなく継続が必要で、5歳で終了する幼児教育とは違います。

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2018.10.04

 

中途半端にすると英語も母国語も、どちらもまともに出来ないということになりかねません。

だからこそ、いろいろな専門家が警鐘をならしているのです。

 

子どもにやる気さえあれば英語はいつからでも出来るし、「L」と「R」の発音など、生きていく上であまりにも些細なことだということです。

 

参考:「脳から見た学習 新しい学習科学の誕生」(OECD教育研究学習センター編著)

 

 

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